できない自分を認めないと、何十年やっても全く上達しない。

実は、一ヶ月前から、仕事場近くのジムに通っている。
年齢的なものもあり、妻からの視線が日増しに厳しくなってきたからだ。

昨日もジムのプールへ行き、フリーレーンで自由気ままに泳いでいた。
プールは汗をかかないし、体への負担が軽いから好きなのだ。

となりのレーンでは、上級者のための水泳スクールをやっていた。クロールの授業で10名程度、参加していた。
僕はレーンの隅で休憩しながら、「どういうクロールが良いクロールなのかな。」と思い、こっそり、そのレッスンを見ていた。

今まで体系的にクロールを学んだことがなく、見よう見まねでやっていたから、興味があったのだ。

そしてその、こっそり見たスクールで、人生が変わるような体験したのだった。

隣のレーンでは、全身黒のウェットスーツと黒のキャップをかぶった、ちょっと女性っぽい60代の男性インストラクターが丁寧にみんなに教えていた。

「いいですか?両手を前に突き出して、プールの壁と水平にしてください。」

「そして、なるべく体をひねらないように、右ひじを後ろに持っていきます。次に左ひじ。クロールまでしなくてもいいです。突き出した両手の水平が崩れないように泳いでみましょう。」

「・・・」。

それを聞いた時、僕の中で静かな衝撃が走った。

凍りつく僕を横目に、上級者のスイマーたちは、習った通りに泳いでいた。
右ひじを後ろにあげたら戻し、次に左ひじを後ろにあげては戻し。
身体を捻らないことに集中して静かに泳いでいた。

僕はそれをとなりのレーンで呆然と見ながら、考えていた。

「いつもやっているクロールと逆だ」。

そう、思った。

いつも僕はクロールする時、右ひじを上げると同時に身体を捻らせていた。
その方が息継ぎしやすかったからだ。

僕はいつも、身体をいかに柔軟に捻るかに、自然と、フォーカスしていた。
理由はない。なんとなく、そうしていた。

そして、実は悩んでいたことに気づいた。

実はクロールのスピードが上がらないと悩んでいた。
レーンでは複数の人が順番に泳ぐから、遅いと後ろから来る人に追いつかれてしまう。

それが、プレッシャーだったのだ。

だから、どうやったら早く泳げるか悩んでいた。
でも、悩んでいることを自覚したのは、「クロールのコツを知ってから」だった。

それまでは、「潜在的に」悩んでいたのだ。
悩みを自覚できていなかった。

だからいつも泳ぐ時は、身体を捻らせ、抵抗のかかる泳ぎ方を心がけてしまっていた。

 

37年間、ずっとだ。

 

たった1分のことだった。

 

 

でも、それ以前とその後では、クロールに対する意識が180度変わった。

そして、思った。

「ひょっとしたらこういうことが、他にもたくさんあるのかもしれない」と。
「自分はできている」と勘違いし、できない自分を認めずに、実は180度違う無駄な努力をしていることがあるかもしれない。

もし、クロールに対してもっと素直だったら、隣のレーンでスクールに参加していたかもしれない。

独りよがりのフリーレーンではなく、素直に伸びていくスクールのレーンにいたかもしれない。

黄色の浮きを挟んだ二つのレーンが、人生を物語っているようだった。

できない自分を認めて、素直になれたら、人生もクロールのように、スイスイ泳げるようになるだろう。

できないことを覆い隠し、知らないことを知ったかぶりしていたら、例え何十年やっていても、全く上達しない。それどころか、逆効果になることもある。

そんなことに気付かされた、夜のプールだった。

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